Dear:大切な君へ。
幸せな日々
インターハイ予選の翌日の部活は、休養ということで休みだった。
気にするな、と言われてもやっぱり最後のシュートが気になって、休みにも関わらず放課後体育館へと向かう。
そこで一人でシュートを打っていると、ガラガラ、と体育館のドアが開く音が聞こえた。
振り返ると、そこには夕美が立っていた。
「二日間、お疲れ様」
あちこちに転がっているボールを拾い上げながら、夕美はこちらに近づいてくる。
「あー、最後のシュート外しちまったけどな」
手に持っているボールに目線を落としながらそう言うと、
「まーだそんなこと言ってる」
と夕美は呆れたように言った。