Dear:大切な君へ。
「早く良くなるといいな」
「うん。部活に支障がでちゃ困るし」
だけどそんな思いとは裏腹に、夕美の腕は悪化していった。
それも、悪化したのは腕だけでなく。
ガシャーン!!
部活中、大きい音が体育館に響き渡る。
音の方を見ると、そこには夕美が倒れていた。
その周りには夕美が倒れた拍子に倒してしまったと思われる椅子や作戦ボード。
「夕美!!!」
急いで駆け寄ると、真っ青になっている夕美。
「あ、ごめん。最近貧血がひどくて」
ぐったりしながら夕美は言った。