Dear:大切な君へ。
「すみません。あっち行くぞ」
夕美の手を取り、中庭の方へと歩き出す。
握った夕美の手は、微かに震えていて。
「なんで荷物まとめてんだよ」
中庭について開口一番にそう言うと、夕美は俯いて、
「健ちゃん・・・・・どうしよう」
と小さく言った。
「は・・・・・何があったんだよ・・・・・」
再び、嫌な予感が大きくなる。
「私・・・・・死んじゃうかもしれない」
その言葉に、頭の中が真っ白になる。
周りの音も、何も聞こえなくて。