Dear:大切な君へ。
俺の頬を流れ落ちる涙を拭いながら、夕美は微笑む。
そんな夕美を俺はギュッと抱き寄せた。
「健ちゃん、私と約束してほしいことがあるの」
俺の腕の中で目をジッと見つめながら、夕美は言う。
「私は何があっても生きることを諦めないから・・・・・。だから健ちゃんも絶対、私がどんな状況になっても諦めないで応援してほしい」
その瞳は、力強い決意を示していて────
「当たり前だろ・・・・・っ。絶対、諦め、んなよっ。絶対に、治して退院しろよっ!」
「うん。絶対に戻るからね」
夕美はそう言って、小さい子をあやすようにポンポン、と背中を叩く。
「健ちゃんって、意外に泣き虫だよね」
「・・・・・うるせーよ。夕美に関してだけだ」
あー、カッコわりぃ。