Dear:大切な君へ。
現実離れしたような話に、茫然とする。
「治る確率が少しでも上がるんだったら、私は腕を切断してもいい」
「・・・・・」
「健ちゃんは、片腕のない彼女なんて・・・・・嫌?」
ハッとして夕美を見ると、目線はさっきと変わらず天井を見つめたまま、涙を流していた。
「そんなわけないだろ・・・・・!俺はどんな夕美でも好きなんだよ!」
そう言うと俺の方を見て、
「よかった・・・・・」
と微笑んで目を瞑った。
その時、
「健斗くん」
病室のドアが開き、俺を呼ぶ声が聞こえた。