Dear:大切な君へ。
「こんなこと頼むのもどうかと思うが・・・・・あの子を、夕美を支えてやってくれないか」
真剣な表情で、二人は俺を見つめる。
「あの子ね、うなされているときいつも健斗くんの名前呼んでるの。あの子には健斗くんが支えになってるの」
どうか、最後まで夕美を支えてください。
そう言って、二人は頭を下げる。
「そんな、辞めてください。それに、頼まれなくても僕はずっと夕美のそばにいるつもりです」
俺のその言葉に、顔を上げ涙ぐんだ二人。
そして数日後。
夕美の片腕は切断された─────。