Dear:大切な君へ。

「何がってお前、夕美ちゃんのことだよ!!ゆ・う・み・ちゃ・ん!!」




「ばっ!!声でけぇよ!!」




大きな声で夕美の名前を出した透の口を塞ごうと椅子から立ち上がった俺に、




「なんだよ、別にいいじゃねぇか。夕美ちゃんのこと好きなのお前だけじゃねえよ。このクラスにも狙ってるやつはわんさかいるから」




と透は言った。




その言葉に、バッと教室を見渡してみるとスッと目を逸らすクラスの大半の男子。




「・・・・・」




「な?」




そんなに多いのかよ・・・・・と絶句している俺に、透は勝ち誇ったような笑みを浮かべる。



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