Dear:大切な君へ。
「・・・・・うっせ」
椅子に座り直しながらそう呟くと、
「どーせあれだろ?一目惚れ」
蒼佑が口を開いた。
「・・・・・あぁ。そうだよ一目惚れだよ」
自棄になった俺は声の大きさなんて気にせずに言う。
一目惚れ・・・・・まさにその言葉通り、一目見て夕美に惹かれた。
正直、自分は一目惚れしない方だと思っていた。
一目惚れ=外見を好きになるっていう考えがあって、どうしても一目惚れには憧れなんかはなかった。
だけど夕美を見たとき、すぐに惹かれてしまっている自分がいた。