Dear:大切な君へ。



「なんか、すっげー自己嫌悪」




教室に戻った俺は、机に突っ伏して呟く。




「なんだよ、なんかあったのか?」




透が不思議そうな視線をこちらに向けながら言う。




「俺って女々しい・・・・・。前までこんなんじゃなかったのに」




夕美の言葉や言動に、いちいち喜ぶ自分が嫌で仕方がない。




当の本人にはそんなつもり全くないのに。




ましてや彼氏もいて、俺なんかそこらの男子と同じなのに。




「まぁー、しょうがないよ。好きになっちゃったんだから」




浩太が苦笑いでそうフォローするも、気持ちはネガティブ思考のまま。



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