Dear:大切な君へ。
変わらない日常
夕美への恋心を素直に認めるようになってから数日。
「はい、おつかれさん」
「おー、サンキュ」
部活の休憩時間。
夕美から差し出されたボトルを受け取る。
あれから特に変化のない毎日を送っている。
唯一、変化があったことといえば、
「随分と部員減ったなぁ」
夕美の彼氏情報は瞬く間に部内に広がり、俺たち四人と二人、神田康介(カンダコウスケ)と内田龍太郎(ウチダリュウタロウ)以外の一年が辞めてしまったことだ。
そしてもう一つ。
「夕美に彼氏がいるってわかった途端これだもんねぇ。ほんと、根性ないな」
夕美の友達である斉藤かな(サイトウカナ)がマネージャーとしてバスケ部に入部したくらいだ。