Dear:大切な君へ。
「別に、謝ることねぇよ」
眉根を寄せて泣きそうな表情の夕美にそう言うと、
「・・・・・ありがと」
と言って少しだけ微笑んだ。
だけどやっぱり気にしているみたいで。
「はぁ・・・・・」
「なに、まだ気にしてんの?」
部活が終わって道具を片付けてるとき、夕美は小さくため息をついた。
「わぁ!健ちゃん!いつからそこに!?」
「いや、さっきからいたけど」
俺の存在に気づいていなかった夕美は、ビクッと肩を跳ね上がらせたあと少しだけ後ずさった。