Dear:大切な君へ。
「あったりまえでしょ!!もうこうなったらやめていった部員たちの分も働くよ!!」
フンッ、と気合を入れるように力こぶを作る夕美に、
「やめていったの全員プレイヤーだから無理だろ」
と笑って返すと、
「それでも頑張るの!!ボトルって言われる前にシュッと素早くボトルを出したりとか...」
あとはゼッケン持ち帰ったり・・・・・とブツブツ独り言を言い出した。
「まぁ、あんま無理すんなよ」
そう言ってさりげなく────、ごく自然に、夕美の頭にポン、と手を置く。
顔は平静を装いながらも、内心夕美に振り払われるんじゃないかとドキドキしていた。
それでも夕美はそんな俺の気持ちなんて知らずに、
「ありがと!」
と言って笑った。