Dear:大切な君へ。


それからというものの、普段学校で夕美を見かけたときは何か変化がないかとか、そういうことを気にかけていたけど何もなかった。




いじめかもしれないと考えたけど、むしろ友達とはみんなと仲良くていじめなんか考えられるような感じではなかった。




だけど、少しずつ変化が現れ始めたのは、それから少しのことだった。




「お前………それどうしたんだよ」




たまたま廊下で見かけた夕美の右頬が、真っ赤に腫れていた。




「あははー。ちょっと今朝寝ぼけてて躓いた拍子に机でぶつけちゃったんだよね」




苦笑いしながらそういう夕美の頬は、ぶつけたとかそんなレベルの腫れ方ではなかった。


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