Dear:大切な君へ。
季節は、だんだん暑くなってきた7月。
「夕美暑くないの?」
放課後の部活。
熱気のこもる体育館で、みんな半袖半ズボンの中、全身ジャージ姿の夕美にかなは怪訝な表情を浮かべる。
「あー、うん。まだ暑くないかな」
そう答える夕美の額には、うっすらと汗が滲んでいた。
「なんか脱げない理由でもあるの?」
疑いのまなざしを向けるかなに、
「そんなことないよ!ほんとに、大丈夫」
夕美は笑って答えた。