Dear:大切な君へ。
正直、夕美の異変にはとっくに気づいていた。
100歩譲ってあの時の顔の痣がただぶつけただけだとしても、どう考えても暑いのにジャージを脱がないとかはおかしい。
腕まくりも一切せず、それどころかジャージの上着は首元までチャックを閉めている。
それに、入部したての頃はこんなに部活を休むなんてことも考えられないくらい、部活熱心だった。
こんなになったのも、あの痣があってからで・・・・・。
その日の帰り、俺は夕美を呼び出した。
「どうしたの、健ちゃん」
制服も、みんなが夏服になっているのに夕美だけは中間服の長そでだった。
「お前さ、やっぱなんかあるだろ」
俺のその言葉に、夕美の目が少しだけ見開いた。