Dear:大切な君へ。
「なんか、一時でも好きだった人があぁなっちゃってショックだなー。元々はちゃんと優しかったんだけどね」
そう言って悲しく笑った夕美を見た瞬間、俺は優しく夕美を抱きしめていた。
「え、健ちゃ」
「よく頑張った」
戸惑う夕美にそう言うと、俺の腕の中でピクっと反応したきり動かなくなった。
「夕美は頑張ったよ。辛かったよな。よく我慢した。もう大丈夫だ」
そう声を掛けると、今度は小さく震えだしたと思うと嗚咽が聞こえ始めた。
「っこわ、怖かった・・・・・‼殺されるって、おも、思った・・・・・っ」
「うん」
「この一週間も、っ、いつあの人が家に来るかと思うと、ね、寝れなくてっ」
「うん」