Dear:大切な君へ。

夕美の腕を掴む俺の手をそっと外すと、



「須藤さんに伝えてくるね」




と言って夕美は今度こそ保健室を出ていった。




・・・・・やべぇ、うざいって思われたかも。




いや、むしろ引かれたか?




何であんなこと言ってしまったんだ、と頭を抱えて布団に潜り込む。




が、まだ体は熱を持っているのかすぐに暑くなって顔を出す。




するとその時、保健室のドアが開く音がして誰かが入ってきた。




夕美か?




そう思ってカーテンの入り口を見ていると、シャッとカーテンが開いた。




そして、そこから顔を出したのは、




「あら、目覚めた?」




保健室の先生だった。



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