Dear:大切な君へ。

・・・・・自惚れんな、俺。




夕美は前俺が見舞いに行ったからずっと看てただけだ。




そう思おうとしても本心では嬉しくなって、顔の筋肉がゆるんでいくのが分かる。




不謹慎にも、熱が出てよかったと思ってしまった。




そのあと俺は担任に連れられて保健室に来た母さんと家に帰った。




教室に置いてあったはずの鞄や教科書が保健室にあったのは、たぶん夕美が持ってきてくれたんだと思う。





明日、礼言わねぇとなぁ・・・・・。




車から伝わる心地よい振動に揺られながら、俺は再び眠りに就いた。




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