信じているのは…


朔弥サイド


ガンッ

バンッ

バキッ

「朔弥そろそろ本気出したら?」

本気だしたらきっと沖田をこの棒で殺してしまうだろうな

「本気なんか出したらお前死ぬぞ?」

沖田はふっと笑い
「一回経験してみたいな」

ならばお望み通りといきたいが、本当に殺したら厄介なことになりかねないから半分くらいでいいかな?

「じゃあ、お望み通りにしてやる」

そう言ってあたしは腰をめっちゃ低く落とし、棒を構えた

「いくよ」

「了解」

ビュッ!

バキッ

ドサッ

「総司!!!」

やっべーやり過ぎた…
あたしは沖田を棒と足で蹴り飛ばしちゃったんだけど、少し力を出しすぎたみたいで、道場の壁に打ち付けてしまった

「沖田っ!って気絶しているし」

「朔弥お前やりすぎだいくら本気だからってもう少し加減しろよ」

げっ土方に呆れられた

「とっとにかく、この試合は勝者朔弥!!」

「ありがとうございました」

一応言っておくか


「ごめん本気は出してないんだけど常人はやっぱきついよな」

「え?朔弥お前本気だしてないの!?」

「そうだよ?ってなんでそんなに驚いてんの烝を除く皆」

「俺でさえ全力を出さないと総司に勝てないんだぞ?」

「てか俺は全力出しても勝てないし」

ふーん
「ま、これでも忍ですし?」

「いや、朔弥だけでしょ〜」

「ちーならもっと余裕でしょ?」

「まぁあいつならな〜」
苦笑いのあたしと烝

「とにかく、沖田はあ…俺が連れてくな」
やべっ!あたしって言いそうだった

「お前に総司を抱えられるのか?」

「ん、余裕」
そう言ってヒョイと横抱きに沖田を抱きかかえた

「すげー」
キラキラした目で藤堂があたしのことを見てきた

「平助はちっこいしな」
はははと笑う原田

「なっ!ちっこいは余計だ!!」

「はぁ…とりあえず総司のこと頼んだぞ」

「りょーかい副長」

あたしはじゃーねーと声をかけて道場を出た

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