信じているのは…
Ⅵ
夕餉の後あたしは土方に呼ばれていた
「土方ー朔弥ですよー失礼しまーす」
あたしは土方の返事も聞かずに入った
「おい、朔弥ああぁぁあぁぁ!!返事してから入れやごらァァァあー!」
「うるさいなー。で?何?早く烝と試合したいんだけどー」
試合よりいちゃいちゃしたいんだけどねー
「ちっ…そろそろお前にもきちんとした仕事やろうと思っているんだよ」
「お!?まじっすか!?土方ありがと!」
あたしはつい嬉しくてにっこり笑って言った
「っ!/////あ、あぁ。特に疑わしいことしていないから信用しようと思ったんだ」
ん?顔赤いなー風邪引いた?
「そっかーで、仕事は?」
「あぁ、だがまだ山崎みたいな仕事はさせられねぇ。だが、お前には監視をやってもらう」
「監視?誰の?」
「誰というかな…いいか?今から言うことを絶対に他言すんなよ?したら、切腹だからな」
「え、まじすかー?まぁ、いいか」
「実は向かいの前川邸には"羅刹"というのがいるんだ。」
「羅刹?」
羅刹の監視とかめんどくさいなぁ
「あぁ。俺らは守護職だけではなく、幕府からある秘密裏に依頼されたことをしているんだ」
「へぇって事は、幕命だねぇ」
きっと人がたくさんいるからじゃね?ww
「あぁ、その羅刹というのは、変若水という薬を飲むことでなるんだ。羅刹になったら、主に筋力と治癒力が増強される。だが、奴等は血に触れない限りは大人しいが一度血に狂うと手が付けられない…その変若水は雪白綱道によって作られたもので、それを"新撰組"で、試している。」
「え?ちょっと待って?雪白綱道って雪白家の分家のやつじゃない!?」
千鶴ちゃんの義父のくせになにしてんだよー
「あ、あぁ。それより、お前綱道さんを知っているのか?」
「知っているよ。俺前にあったことあるんだよ」
「雪白家の人間が知り合いとか…だが、今綱道さんが変若水の完成前にいなくなっちまったんだ」
「めんどくさくなったのかねー」
「てめぇ…はぁ…もういい。ま、このことは幹部連中と、山崎しか知らない。そこのところ覚えておけよ」
「了解。で、俺は奴らの監視をしろってことね?」
確か羅刹の力は人間の生命力を使って居るんだよな?
でもその力は一時的なものでしかなくて、いつかは生命力が無くなり、灰のように崩れて死んでしまうという
全く、綱道は何をしているんだよ…
あいつには鬼の誇りが無いのか?ああ、イラつく
「朔弥。その任務は今夜から頼む。」
「はいよー何かあったら土方に報告するねー」
「お前土方じゃなくて、せめてさん付けか、副長と呼べ!!」
「え、やだ。呼びにくいし、烝以外は名字で呼んでるしー」
「じゃあ、副長と呼べ」
「仕方ないなー120歩譲って副長って呼んであげるよ」
「まぁいいだろう」
こんの俺様野郎…
あたしは部屋を出る前に振り返り、
「じゃぁ、用意してくるねーフクチョウさんー」
襖を閉めずに部屋を出た
「朔弥あぁあ!てめっ!なんで片言に言うんだよおぉ!!しかも、襖くらい閉めていけえ!」
激おこな副長ーが居ましたとさー