隣の仲介屋
「弥殊ごめん。待ったよね?」
そう言って息を切らして走ってくる陽。
辺りはもう暗くなり始めていて、部活生で校門は大混雑。
「今週練習試合入ってさ。練習長引いた」
息を整えながら陽が言う。
見るからに急いできましたって感じ。
そんな陽をあたしが怒るわけもなく。
「お疲れ」
あたしはそう言って陽にジュースを渡す。
「さすが弥殊!気が利くなぁ」
陽が晋ちゃんみたいに笑う。
子供みたいな無邪気な笑顔。