隣の仲介屋

マネージャー




「あれ?弥殊どしたの?」


夏休み初日。


久しぶりにバスケのシューズを履いて。


あたしはコートの隅に立っていた。


それに気付いた羽月が駆け寄ってくる。


「イキナリ合宿じゃ足引っ張るだけだと思って」


顧問の先生に頼んで、夏休みの間のマネージャーをさせてもらうことになった。


「弥殊も頑張るね」


羽月がそう言って笑う。


コートに向かっていく羽月を見送り、あたしはノートを開いた。


部員の名前の並んだページを開いて、出席を確認する。


陽にもらった名簿と晋ちゃんに借りた写真で、大体は覚えた。


ストレッチを始める部員を見ながら、次はドリンクを作る。


ドリンクは薄めと濃いめと普通の三種類。


普段からのマネージャーが教えてくれた。


マネージャーは一年生の女の子一人で。


いつもは主に女子を世話してるらしい。


男子は女子のついでにドリンク作りと、ゼッケンを洗うだけ。


彼女も元バスケ部で、怪我が理由で止めたらしい。


バスケが好きで仕方がないっていうのが見てて分かるくらいの子だった。












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