僕と甘口レアな ラブはいかが?
アフターファイブはプライベート
突然、フロアごと引越しを言い渡された。

一つ上の階だった。

以前は会議室や応接室、資料室だったフロアだ。

どこぞのモデルルームのようなオフィスにリニューアルされていた。

各ブースにPCが並び、キャビネットもデスクも見事に設置されていた。

支社長は直ちに移動するよう命令した。

ゴミのように積まれた古いファイルを整理させられ

最新のものだけを手近に置いた。

各自の私物や備品も全ての移動が完了したのは午後遅くなってからだった。

「諸君、残業を激減させたい。単に能率が悪かっただけだ。もう以前のオフィスにはしてくれるな。階下はこのフロア同様、私が責任を持って処理する。上と下が入れ替わっただけだ。以上。」

フロア中に拍手が沸いた。

各自ブースに落ち着いた。

私のブースにも、小さいけれどベンチとロッカーが付いていた。

デスクとチェアとキャビネットの他にだ。

私は私物を新しいデスクに並べて、椅子の背もたれに寄りかかった。

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