彼の素敵なプロポーズ

走っている途中、涙が出てきた。


ずっと堪えてたけど、やっぱり無理。


自分から振ったはずなのに、彼を忘れられない。


…でも、彼の幸せの方が大事だ。


だって、あたしは赤ちゃんが産めないからだなんだから。


初めてこれを知ったのは、三ヶ月前。


お母さんに知らされた。


今までは、あたしの事を気遣って言わないでくれたらしい。


…彼との子供を産めないなんて。


こんな体に産まれて来たことが、凄く憎々しい。


けど、仕方ない。


あたしの気持ちより、彼の幸せの方が大事だから。


あたしは、自分の気持ちに逆らったの。


…本当はあの指輪、受け取りたかった。


君と結婚したかった…!


溢れる思いを堪えて、あたしはずっと泣きまくった。
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop