★FAN★
五期の三十の日、疲れもようやく消え去ったリオンは、急いで城に向かう。道が全くわからないために、とりあえずは見える城方向に向かって走っていった。

やっとたどり着いた時には凄い数が列を作り、一人ひとりが城内へと入っていく。

その列はやはり、グレイスになるために試験を受けに来た人達。戦士から魔導師、 それぞれタイプが異なる者ばかりが集っていた。



受け付けまで漸く流れると、軍服を来た女性が番号を書き記した紙をリオンに渡し言う。


「こちらが貴方の番号となります。無くさないようにしてください。

無くしてしまうと試験の方が受けられませんので」


その後に案内がくると、待機場に連れられる。番号からしては予測できていたが、やはりこれだけの数を前にすると、圧倒される。個々から感じられる気は張り詰めてはいないが、和らいでもいるわけではない。一度の試験で二、三十人しかグレイスの職業に就けない…、それほど実力がないとなれないのだ。単に実力がトップを就けさせてくる訳ではない。一定基準を超えなければ…。

昔には五人にも満たなかった時があると云うほどだ。



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