★FAN★
そして、いよいよ始まるのか、闘技をやり合うような広間にぞろぞろと移動して、王が高き所に姿を現した。


「私が国王のルイス・ベルランだ…。危険なこの職業にはそれ相応の試練を乗り越えねばならん。

軍規長カーネスから、試験の話をしてもらう。何度かここに来ているものもおるであろうが、念に聞いておくように…」


国王が下がると、呼ばれた軍規長カーネスが姿を出し、皆がそれを見上げる。中には説明をうんざりしているように顔を逸らすものもいるが。


「軍規長のカーネス・マルヴィンです。以後よろしく願います。

それでは試験の話に入りますが、グレイスとは、我が民に危害を及ぼす魔物を討伐する目的を持つために作られた職業です。危険度は最高、命がいくつあっても足りないこともあるほどです。

ただ、民を守るためだけなら、国に仕える兵士となったほうがグレイスよりは遥かになる確率が高いですが…、皆さんはそれでもグレイスを選んだということでしょう。その意志を強くもって望んでください。

それでは…、与えられた試練を乗り越えなければ、魔物と戦っても死あるのみ。無駄に命を作りたくない、そのために作られたこの試験は無駄だと思わないでください。なめて掛かっていると、試験だけで死にうる場合もございます。

詳しい試験内容はまた明日します。今日は、チームを組み交流を深めていただきます。

明日の朝七刻、チーム全員揃って集合していることが、試験を受ける必須条件でありますので忘れないように…。ではこれで」


式が終わると、大きな字で番号がかかれたチームの組み合わせが発表された。

リオンは二百十番、組む相手は次の二百十一番と十二番、そして何故だか一番?の四人チームのようだ。


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