★FAN★
そして…、リオンのチームの順番に回って来た。

洞窟の中はうっすらと灯る蝋燭の火に照らされる壁を伝い、慎重に奥へと進む。薄暗い闇しか移らないその先には、やはり蝋燭の火だけが頼りだ。



途中、仕掛けられた罠か、無数の穴が開いた道が、行く先を阻む。どうやら通るものには矢を放つ仕掛けのようだ。

「………、これを越えられるのは当たり前ということか」

剣を抜くと、リオンは素早くそこを通り抜けるとともに、打ち出された矢を弾き返す。

「それぐらいは朝飯前だぜ!」

ヤンクスもその後を続く。槍を扱えるようで、海に沈んだエクゼルが頭に浮かんだ。

あの時は警戒心を解かず、備えて挑んだにも関わらず勝てなかった異種の存在。俺についてきた隊士達全員…、俺だけ生き残ったのが申し訳なかった。例えそれが、言われた光の導べだといえども…。

リルもメイリンも、魔法といえる能力で通り抜けると、四人は全員で一つの広間にたどり着く。

どうやらここが…、試験の場所のようだ。指定されたものをとるというのはただの口実。これが本来の目的なはずだ…、と四人は直ぐに判断できた。

人とは見えぬ肉体の姿。角が後ろに沿い、毛が厚く獣とも云える。それが立ちはだかるように座っているのだ。そこから感じる闘気は確実に戦わねばいけない緊張感を与える。



「お前達が我の相手のようだな。たかが指定されたものをとると、安易に考えられたなら…、死が待つのみだ!!」


喝というか、その大声が空を響かせると、それは立ち上がり、覚悟を決めさせるように威圧を四人に与えた。


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