★FAN★
考えた結果はこいつを倒せば試験が合格できる。

だが問題は…、この狭い空間でどう戦えるかという手段の問題。上の高さはあるが、あまり横には広くないこの間。

リルとメイリンの二人では戦いはつらい、こうなっては前衛で戦うリオンとヤンクスの二人次第で、どちらにも転ぶ。引き付けるしかない。

全員が戦闘の体勢に入ると、魔人が構えた。


「我が名はラジャス、我を倒すのが指定の物を手に入れる条件なり!!」



どこからともなく出した斧が、勢いよく投げ付けられた。その威力は流石にとめられは出来ない。

リオンはとびかわし、無手なラジャスに一つ剣を振り抜いた。だが、鍛えぬかれたその強度な皮膚は切り裂くことができず、逆にそれが隙を晒すことになった。

戻ってくる斧が反動に動けないリオンを襲う。


―――バキッ―――


ヤンクスの持つ槍が軌道を変えたおかげで免れると、リオンは一回ラジャスと距離をとった。ラジャスの手に斧が戻ると、接近をし、力強い一撃がヤンクスに振り下ろされた。

受け止める反動が足元の地盤を歪ませ、ヤンクスは力だけの痛みを身体に与えられた。



そこを狙うようにリルが放つ氷の刃と、メイリンの放つ闇の霧が魔人を捕らえた。だが、ラジャスは上空に跳び上がって、斧を引っ込め、手で弓を引く形をとる。


‡ライトニングアロー‡


光でできた弓の弦が、そこから無数の雷を大地に注ぐ。

それは身体に触れると一瞬で大地まで通り抜けるために、外部の焦がしだけではまったくすまない。魔の耐壁効果をもつ魔法でリルとメイリンは身を護ったが、リオンとヤンクスはそれを身に浴びすぎた。

ヤンクスよりも何故だか、リオンの方がそのダメージが多いと見える。


「神経まで焼かれそうだ」



身体の内部を流れ下ったのだ。それも有り得る可能性の効果はあっても可笑しくはない。


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