★FAN★
夜明けの陽が昇る頃、リオンは気分転換を終えて宿屋に戻る。

部屋に入ると、ヤンクス達は起きていた。あの身体でどこに行ったのかと思っていたのは、見た顔で分かる。



「起きるのが早いじゃないか、三人とも」

「怪我してやがる癖に散歩とは、随分回復が早いじゃないか。

これなら今日の最終試験に出られそうだな」



ヤンクスはぽんぽんとリオンの身体を軽く叩きながら、笑顔で緋焔を渡して来た。

それを手にすると、リルとメイリンの方に向き、軽く微笑む。




「本当に大丈夫なの?身体」

「あぁ、平気だ。この通り、痛みなく動かせる」

「それはよかったわ。試験にひびいて足を引っ張られる心配はないようね」





メイリンは先に一人部屋を出ていった。あれからずっと三人は、リオンの宿に来ていたのだろう。


「今回の参集は少し早いぞ。すぐに行くぜ」




メイリンは一足先に行ったようで、城に到着すると、二次試験を合格したチーム人数の、述べ三十三人がその場に集まっていた。

二次試験ではかなりのチームが脱落したのだろう。一体、簡単に見えた依頼のクリアに、どんな裏があったのだろうか。

同じような偶然が全員に起きたわけではなさそうなのだが…。

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