★FAN★
預言者の云う地がここだとして、ここでリオンに何をさせる気なのだろうか。神の封印を解くにしても、神殿もなければ玉座も無い。何かあるとすれば、怪し過ぎる丸い物体。

水に酸があるために手出しもできないため、コアが近づいているのを気長に待つ。

と、コアは急に水を纏って湖面から上昇して、水の塊のまま、形状はスライムの超巨大サイズというところか、それが、口を開けて声を発する。


『オマエ…、ヒカリノコダナ?シュガオソレシチカラヲモツモノ』

「光の子?主とはなんだ?」

『シラナイナラ、コウツゴウ。シュヲアダナスモノニハシヲ』


身体から水玉が宙を浮かび、それが砲撃のように飛んでくる。後ろに飛びのいてそれをかわし、直撃した場所を見ると、大地がえぐれていた。

リオンは剣を構えて、水の塊に眼を向け、牙を向くように強い気合いを送る。あの攻撃の威力をみて恐れがないといえば嘘だが、それに足を振るわせているわけにはいかない。


あれが魔物ならば、あのコアが身体生命を作り出す心臓。ならばあれを狙うのみ!




†緋焔烈破†


水を蒸発させる勢いで火力を込めて放つ一撃は、深い水に飲み込まれ、燃え尽きた。だがそこに、リルが放つ雷を纏わせた矢が射られ、コアまでは届かずとも狙いは定められた。


水玉をかわしつつ、風の力を集めると、一気に近付き鋭い回転とともに水を貫く。


「リオン!危ない!!」



狙い済まされたように、水は空を覆い、津波のようにリオンに降り懸かった。皮膚には焼けるような痛みも混じり、水が湖に退くと、打ち付けられたリオンが水を吐きながら、呼吸を整える。

リルは攻撃を中断し、駆け寄ると回復魔法で治癒にあたろうとするが、リオンは直ぐに立ち上がり、リルから離れた。

また水玉が大地を穿つ。



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