★FAN★
あの湖の水には限度がないのかと思うほどに、水玉は宙を飛び、時に来る津波の威力が佇むものを引き込む。

コアに纏う水だけは一定の量を保たれ、攻撃が止む度に湖に逃げる。



矢が雷力を帯びて、コアに纏う水を剥がしていく。コアに纏われた水だけは魔力、神力により創られた水のようで、徐々に歪んでいく。



「リオン、今のうちに狙って!」



歪んでいる水がコアに一番薄くなった場所を目掛けて、気力を込めた両断の剣が狙い定めたコアへの道を貫く。



僅かにコアに届かず、水がリオンを包み、空中で水圧によって押し潰す。コアに纏わり付いていた水なために、通う魔力が半端ない。


「ぐう…っ、がぁっ!」


堪えるにも堪えられない力が、体内から酸素を吐き尽くす。バチバチと通電する雷が水力を削り、空中からリオンは落ちる。


今ので体力は一気に削られ、瀕死に近い状態で膝を付く。


「力を…ちからを…。開け、とびら!!」

秘めし力は焔の光、髪は紅く煌めく燃えし炎。剣に纏う火力は最大顕現。


命を焼き尽くすその炎が大地を囲い、標的に狙いを定めた。


「リ…オン…?」


剣の炎が渦を巻き、コアに目掛けて貫く。水は破散して、炎が剣から伸びてコアに絡み付く。


『グガァァァァァ!コノホノォォォ』

水は蕩けるように流れ落ち、コアはバチバチと電気を走らせながら爆発した。


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