★FAN★
森の中には異種の生物が生息し、夜間の行動が多いためにあまり滞在はしたくないのだが、距離ではここで二日は取られる。ここを知らないものにはもっと時間をとられるだろう。



っと…、静かに過ぎる夜の閑静。声もしなければ気配もなく、疲労をせずにあっという間に森を抜けられた。平和に何事も無いそれが、胸のざわめきを嫌な方向にむけている。



三日目の昼にハルグベールにたどり着き、宿で明日に控える国王との謁見と、明後日の儀式をただ待つのみとなった。



小さな光が灯る部屋の一室、ふっと息を吹き掛けるとユラッと揺れて煙りをたてて消えた。


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