溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
漆黒の瞳に、吸い込まれてしまいそうだと思った。
「いきなり、何で……」
だって、いつだったか忘れたけど雅。
「私からお願いするまでしない、って言ってたじゃない」
──『 ……キスは、お前がねだれ』
いつだったか、キスは初めてじゃないと言った私に、不愉快そうな顔をして雅はそう言った。
あの時は何言ってるのって思ったし、ねだるつもりなんかさらさらなくて──勿論、今も。
なのになんで強引にキスなんかしたの?
「矛盾してるわよ」
「矛盾だってなんだっていい。……もう少し、自覚を持て」
「自覚?」
「……俺の恋人だろ、麗は」
耳元に声を流し込むみたいに囁いてくる雅。
ああもうほんと、雅のそういう所ずるい。
「他の奴にキスなんかさせるな」
「でもあれは、不可抗力だし……」
「隙を見せるなって言ってるんだ」
そう言うとまた、顔を少し傾けて私に口付ける雅。