溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
「そうじゃないけど、いきなりだったから驚いただけ」
「麗ちゃんが、はぐれないようにね」
「……馬鹿にしてるの?」
こうやって茶化さないと冷静でいられないってこと、察してくれなんて無理な話か。
手、繋いだだけでドキドキして。
あー、もうほんと、俺、麗ちゃんにぞっこんみたいだ。
──カフェまでは歩いて15分くらいで着いた。
個人が経営してるこぢんまりしたお店で、珈琲もケーキもすごく美味しいのだけど、まだそれが知れ渡っていないからか、中はいつも人が疎らで。
ゆったりとしたBGMと、静かな店内がお気に入りだった。
鈴の音を鳴らしながら店内に入ると、白髪の初老のマスターが出迎えてくれる。
「いらっしゃい。いつもありがとう」
俺がよくここに来るからか、マスターにはもう顔を覚えられていて、ありがとうと言われる度に少し気恥しいのにももう慣れた。
「窓際の席、座っていいですか?」
「ええ、ご自由に。お連れさんも、ゆっくりして行って下さいね」
「とっても素敵なお店ですね。有り難うございます」