溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
近寄ってきた麗の甘い匂いに。
その端整な顔に、思わずどぎまぎしてしまう。
おかげで答える声もぶっきらぼうだ。
「……私」
少し目を伏せながら、桃色の唇が開く。
息を呑みながら続く言葉の先を待っていると──。
「悠と一緒に、帰りたい」
「っ、!?」
出てきたのは想像以上に破壊力のある台詞だった。
わかってる、こいつのことだ。深い意味なんて無いんだろう。
だけど。
わかってはいても、ドキドキしてしまうのは仕方ないと思う。
「お、お前今日は俺担当じゃないだろ」
違う、そうじゃないだろ。
いいよバイクに乗せてやるよ、って一言言えばいいだけだろ。
本当は、麗が帰りたいって言ってくれて死ぬほど嬉しいくせに。