溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2





忘れた。忘れてしまった。


もう、上手くやれない。



「貴方達があまりにも優しいから……人
との距離の置き方がわからなくなった」



前は完璧だったのに。


前の私だったら、佐藤さんがあんな表情
を浮かべても、全然平気だった。きっと
何も思わなかった。



だけど今は違う。



佐藤さんが傷ついた分まで、私も傷付い
ている。



不意に、頭の上に何か大きな物が乗っか
って、それが仁斗の手だと気付いた。



驚いて仁斗を見れば、仁斗はふわりと微
笑みながら、私を見つめてる。



「なーにそんなことで悩んでんの。いい
じゃん、それが普通じゃん?人間らしく
なってきたってことだよ、姫もさ」

「人間らしく……って…」

「だって去年の姫の冷徹さって、最早人
間味がどこにも無かったからね~」






< 22 / 170 >

この作品をシェア

pagetop