溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
忘れた。忘れてしまった。
もう、上手くやれない。
「貴方達があまりにも優しいから……人
との距離の置き方がわからなくなった」
前は完璧だったのに。
前の私だったら、佐藤さんがあんな表情
を浮かべても、全然平気だった。きっと
何も思わなかった。
だけど今は違う。
佐藤さんが傷ついた分まで、私も傷付い
ている。
不意に、頭の上に何か大きな物が乗っか
って、それが仁斗の手だと気付いた。
驚いて仁斗を見れば、仁斗はふわりと微
笑みながら、私を見つめてる。
「なーにそんなことで悩んでんの。いい
じゃん、それが普通じゃん?人間らしく
なってきたってことだよ、姫もさ」
「人間らしく……って…」
「だって去年の姫の冷徹さって、最早人
間味がどこにも無かったからね~」