溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
近寄れば近寄るほど、鼻腔を満たす、甘
い匂い。
そっと姫に顔を近付けて、起きる気配の
ない姫を見つめる。
駄目だ、と叫ぶ俺が居る。
それ以上近付くな、と警報が鳴ってる。
だけど、そんな理性よりも、"触れたい"
本能の方が、強くて──。
自制が、効かなかった。
俺の唇を押し返す、俺の唇よりも柔らか
い、それ。
そっと唇を離して、赤く熟れた、姫のそ
れを見つめる。
触れるだけのキスで、こんなにも満たさ
れるなんて、ひさしぶりで。
どこか懐かしいその余韻に浸っていると
──。
「仁斗、何してるの?」
突然、ものすごく冷たく鋭利な声に、夢
見心地だった気分が破られた。
一気に思考が覚めていき、代わりにどう
しようもない焦りに支配されながら、ド
アの方を振り向く。