溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
あれは忘れて良いものじゃないだろ。
ずっと、俺の耳にあるべきだろ?
だけど。
「なんでだよ……」
触れた耳に、感じることのできない感触
の全てが現実で。
俺が、あのピアスを忘れるなんて。
嫌だ。嫌なんだよ。
俺の中から、"彼女"の存在が薄くなって
いくのなんか、感じたくない。感じなく
ていい。
『──私よりも大切な女の子を、見つけ
てね?そしたら……──』
違う。見つけてなんかない。
一番大切なのは、今も昔も変わらない。
だから、頼むから。
俺の中から、消えていこうとしないで。
「先生──……」