溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2




やっと、人と関わることに、抵抗がなく
なって来たのに。一歩を、踏み出せそう
だったのに。



夢乃や蕾との仲の後押しをしてくれたの
だって、仁斗でしょ?



なのに。



「なんで……っ」

「ごめん、姫」



そんな仁斗の声に、顔を上げると、仁斗
は何かに耐えるような、苦しそうな表情
を浮かべていた。



「そうじゃない。俺が姫を嫌いとか、そ
んな訳はない。それは誓うよ。ただ今は
、まだ色々と……混乱してて」



仁斗が顔を上げて、両手で私の頬を包み
込むと、切な気な表情で、私の額に、仁
斗の額をくっ付けてきた。



視界に、仁斗の綺麗な蜂蜜色の髪の毛が
映る。



「これだけは覚えておいて。俺は絶対、
姫の事を嫌ったり、しない」

「仁斗──……」

「ごめん、姫……」



仁斗はまたそう言うと、ゆっくりと私か
ら離れていった。





< 62 / 170 >

この作品をシェア

pagetop