溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
やっと、人と関わることに、抵抗がなく
なって来たのに。一歩を、踏み出せそう
だったのに。
夢乃や蕾との仲の後押しをしてくれたの
だって、仁斗でしょ?
なのに。
「なんで……っ」
「ごめん、姫」
そんな仁斗の声に、顔を上げると、仁斗
は何かに耐えるような、苦しそうな表情
を浮かべていた。
「そうじゃない。俺が姫を嫌いとか、そ
んな訳はない。それは誓うよ。ただ今は
、まだ色々と……混乱してて」
仁斗が顔を上げて、両手で私の頬を包み
込むと、切な気な表情で、私の額に、仁
斗の額をくっ付けてきた。
視界に、仁斗の綺麗な蜂蜜色の髪の毛が
映る。
「これだけは覚えておいて。俺は絶対、
姫の事を嫌ったり、しない」
「仁斗──……」
「ごめん、姫……」
仁斗はまたそう言うと、ゆっくりと私か
ら離れていった。