溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
俺って、女見る目がないのかもしれない
。
なんで本気になった恋は、いつも報われ
ないモノばかりなんだろう。どうして俺
は、自ら無謀な恋に足を踏み入れるんだ
ろう。
もう叶わないような、報われないような
悲恋は味わいたくないと思ったから、軽
い気持ちだけの関係を好んで選んでいた
のに。
いつの間に、心を奪われていたんだろう
。
いつの間に、こんなにも焦がれる気持ち
が、大きくなってしまったんだろう。
「とにかく、もうあんな変態野郎に、麗
の劇の相手役なんてさせられねーよな」
「そうだね。でもだからといって、今更
代役を立てるわけにもいかないしね」
どうやら話題は、文化祭での、姫の相手
役をどうするか、ということに移ってい
るらしい。
まあ俺も、このまま王子役があの男だな
んて、絶対に嫌だけど。
うーん、と唸る悠と類に、不意に、楽し
そうにニコニコ笑った春希が、会話に入
ってきた。
「ねえ、ちょっといい考えがあるんだけ
ど」