溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
そう言った春希の目は、悪戯を見つけた
子供のように輝いていた。
「なんだよいい考えって」
「うん、あのね、王子役を、途中から入
れ替えちゃうの!」
入れ替える?と悠が首を傾げる。
「うん。枚田と麗ちゃんが絡むのは、最
後のキスシーンからでしょう?だから、
そこまでの王子の台詞とかはそのまま枚
田にやらせて……」
「それで、キスシーンでは他の誰かを投
入するってこと?」
「そう!そうすれば麗ちゃんへのドッキ
リにもなるし、僕達の誰かが行けば、観
客も盛り上がるでしょ?一石二鳥だよね
!」
……つまり、姫とのキスシーンを、俺ら
の誰かがやるってことね。
心なしか、悠と類の目付きが変わったよ
うな気もする。そりゃそうだよね。だっ
て惚れた女の子と、キスシーンが出来る
っていうんだから。
本当は俺が立候補したいけど……まだ誰
にも姫の事を好きだって打ち明けてない
手前、それは無理だ。
どうせ、悠か類になるんだろうな、なん
て思っていたら。
「──俺がやる」