溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
低く、短くそう告げたのは、類でも悠で
も、ましてや春希なんかでも無かった。
全員がそちらを向く。
そんな俺達の視線を受けながら、その男
──雅はもう一度、静かな声を紡いだ。
「俺がやる」
一瞬、水を打ったように静まり返る室内
。それを破ったのは、不服そうな類の声
だった。
「俺がやるって……そんな勝手に決めな
いでよ。俺だってやりたいし、悠だって
麗ちゃんとラブラブしたいよね?」
「ラブ……っ!?ぅ…ま、まぁ」
どこか歯切れ悪く、もじもじしながらそ
う俯く悠。
喧嘩の時はめっぽう強いくせに、こうい
う色恋沙汰にはからっきし弱い。たまに
、どこの中学生男子だ!と突っ込みたく
なるような素振りを見せる。
だけど雅は、そんな類の厳しい視線を真
っ向から受け止めて、相変わらず感情の
読めない瞳を、類に向けた。
──いや、その瞳が数かな感情の炎を灯
していたようにも見えた。
「……麗の恋人は俺だ。一番適任なのは
、俺だろ」