溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2
そんな姫の言葉に、そう、と頷く。
「いいの?……あれ、いつも付けてたじゃない。お気に入りだったんでしょう?」
「お気に入りっていうか、俺の命みたいなものだった」
「えっ、なら、尚更──」
「いいんだよ」
困ったように眉を下げた姫の言葉を遮る。
そう、あれは俺の命だった。あれにすがらなければ、生きていけなかった。
だけど今は違う。
「もう、いいんだよ」
今は、姫が居るから。
姫が居るから、俺は生きていこうと思える。
「ね、姫……、俺さ……昔、すげー好きなひとが居たんだ」
姫にだけ、教えてあげる。
俺だけの、思い出を──……。