悪魔ニ花束ヲ

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そんなこんなで数週間。当たり前のように放課後の読書タイムを過ごした後、「そろそろ帰るよ、ブスちゃん」と首を引っ張られる。だもんで、まさか部活動なんていう爽やかな活動に所属しているとは思わなかった。

梓から聞いた話では、怪我をして暫く休んでいたらしい。今日のは復帰戦。

あたしは、思考を止めて灰原千景を見上げる。精巧な作りをした顔立ちはもう真っ直ぐ前を向いていて、あの最後のゴールを決めた時みたいな綺麗な目。


「ブランク、あるなんて思えませんね」


あたしは小さく呟いた。