悪魔ニ花束ヲ
時期には桜が咲き誇る並木道。よく地域のテレビ特集でも取り上げられるこの場所を灰原のペースで歩く。あたしは早歩きだ。足の長さが違う事に気付け。
灰原の端正な横顔はいつも不機嫌だ。
ガハガハ笑ってる所なんて見たことない。あ、例の偽王子スマイルなら何度かみたけど。確かに綺麗な微笑。ただ本質を知っているあたしには寒気しかもたらさない。このキラキラした微笑の裏でこの男がどれだけ毒を吐いているかと思うと。
「なに」
灰原が口を開く。
「見ていただけです」
「見つめたいならゆえばいいのに」
「顔以外最悪ですな」
「ワハハハハ」
「なんですかその嘘臭い笑い方」
フフンと鼻を鳴らす灰原にあたしは心底溜め息をついた。
灰原の端正な横顔はいつも不機嫌だ。
ガハガハ笑ってる所なんて見たことない。あ、例の偽王子スマイルなら何度かみたけど。確かに綺麗な微笑。ただ本質を知っているあたしには寒気しかもたらさない。このキラキラした微笑の裏でこの男がどれだけ毒を吐いているかと思うと。
「なに」
灰原が口を開く。
「見ていただけです」
「見つめたいならゆえばいいのに」
「顔以外最悪ですな」
「ワハハハハ」
「なんですかその嘘臭い笑い方」
フフンと鼻を鳴らす灰原にあたしは心底溜め息をついた。