悪魔ニ花束ヲ
どこをどー、と言われましても、寧ろあたしがその質問をしたい。
「あ、つーか相手の王子って灰原だよね?」
え、そこから?
「出会いは?やっぱり学校一の有名人の名前知らないとこから始まったの!?おいおい、王道だなおい。で、チュウとかしちゃったの?」
興味津々に目を光らす梓は妙な迫力すらある。やっぱり変な子だ。私が言うのも何ですが。
「幾つか訂正したいんだけど。ていうかさせて」
あたしは至極冷静に我ながら低い声を出した。
「まず、付き合うとか、そんな青春ストーリーは発生してないし。つまり、…ち、チュウとか有り得ないわけで。」
なんで、しどろもどろ。