悪魔ニ花束ヲ

────雨の日がほんの少し好きになりました。

ウゲウゲと悪態をついた事を反省して、初めて出会った心優しい美形に、やっぱり美形のあるべき姿はこれだと猛烈に思った。


あたしは感謝の気持ちを伝えて店を出た。本気で車で送る、と言い兼ねない雰囲気に、あたしは健康優良児ですから問題ないです、と勢いよく飛び出して。


振り返り様に見た喫茶店の名前を胸に刻んで、雨の中を駆け抜けた─────


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