青春謳歌 After Story
「それは……。」
ピンポーン!!
和輝さんが理由を言おうとした瞬間、部屋にチャイムの音が鳴った。
それに反応して和輝さんは私から離れてチャイムの対応をする。
温かったぬくもりが離れて寂しく感じているとガタガタと音がした。
何事かと思って…玄関の近くに駆け寄ると和輝さんの傍に奇麗な女性がいた。
「和輝、久しぶりね!
元気にしていたかしら?」
和輝さんのことを呼び捨てにするその男性は抜群のプロポーションで和輝さんに抱きついていた。
「由梨絵、抱きつくな。」
「えー、いいじゃない!
抱きつくよりもっと凄いことした仲なんだから…。」
意味あり気な顔をして和輝さんを見るとその後ろにいた私と目が合った。
ど、どうしよう…。
「あら、貴方誰かしら?」
「えっと…綾部陽菜です。」
「へぇ、貴方が…。」
クスッと妖艶に笑う由梨絵と呼ばれた人は私を上から下まで見てもう一度クスッと笑った。
私は小さな声で自己紹介をするのが精いっぱいなのに由梨絵さんは余裕だ。
もしかして、この人は…。