青春謳歌 After Story
拗れた関係
和輝Side
俺は今、非常にイライラしている。
なのに目の前で優雅にコーヒーを飲んでいるこの女は俺の苛立ちを感じないのかただひたすらにコーヒーを飲んでいる。
「いい加減、帰れ。」
「えー、何よ。別にいいじゃない。」
「良くないから帰れと言っているんだ。」
由梨絵の態度は俺を不愉快にさせる。
昔からこいつは苦手だ。
「久しぶりに従姉に会えて嬉しいでしょう?」
「嬉しくない。」
「相変わらず、仏頂面ね。
あの子にはあんなに優しい顔を見せるっていうのに…。」
今までのやりとりを見てきたかのような言い方に俺は眉間に皺を寄せた。
俺と由梨絵は従姉の関係だ。
小さい頃から知っているが女王様タイプでよく俺をパシリとして使っていた。
だが、俺はパシリなどになるつもりはなく今までスルーしながら過ごしてきた。
自分の思い通りにならない俺を嫌に思ったのか由梨絵は学校の周りの男らを集めて自分だけの下僕として集団で行動することが多くなった。
それを遠巻きで見ていた俺はよくやるな…と他人行儀で見ていたが今日のようなことは流石の俺でも怒る。
せっかくの、陽菜と過ごす機会を台無しにしたことにいかにも嫌悪した目で見ていると
「そんなにあの子が大事なのかしら?」
「あぁ。だから、どうした?」
「でも、あれは完全に私たちの仲を誤解したって感じよね。」
「そうだ。お前のせいだ。」
陽菜は由梨絵と違って繊細だ。
由梨絵のようにジャラジャラとした装飾品は付けないし派手な化粧、派手な爪などしない。
いつも控え目で少しだけメイクをすると派手ですか?と聞いてくる。
そんな陽菜が可愛いといつも思っていて…その陽菜から今日は誘われたんだ。
恥ずかしがり屋の陽菜が真っ赤な顔をして自分を抱いて欲しいと言ってきたのに、由梨絵のせいで邪魔が入った。
まぁ、元々今日するつもりも無かったが…。