紅蓮の炎
「あ、」
そこで真守が声をあげる
「僕ら新入生なんで、先行きますね。
これからよろしくお願いしますっ」
「じゃあまたあとで…」
そう言って2人は去っていった。
はっきり言って、パンサーの連中は皆話しやすい。
同い年のやつらはみんなタメ口で話してくれるし、年下だと先輩として話してくえる。
パンサーも上下関係があるが会話の中にタメ口か敬語かは人それぞれだ。
南町はこの街の中で面積が一番小さい。
それもあってか、家が近かったり小さい頃から一緒に遊んだりの名残でとかでそのままパンサーにそれが響いていると大悟からきいた。
他の族だとこうもいかない。
僕らが龍神だから、
みんなあまりオープンで来てはくれない。
それはそれで当然なんだろうけど…
だからパンサーは、どこか不思議な人たちに思える。
「響、」
「なんだ?」
ふと、思い出したことを言ってみた。
「確か今日って連合の会議があったよね?」
「あぁ、そうだったけど」
それがどうかしたのか?
そう聞いてくる響の視線を感じながら僕は言葉を紡ぐ
「最近、気になってる族を思い出してね。
朔夜と真守みてたら思い出した」
「パンサーに関係あんのか?」
んー、
「それはパンサーにきいてみないと分からないけど…
パンサーと同じ南にあるよ。それに、少なくとも朔夜と真守には関係あるんじゃないかな」
そう言うと響は一瞬にして真剣な顔になった。
「それって俺らの先代達が言ってたレディースなんじゃないか?」
「そうだよ。
最近、北がヤケにこっちきてたでしょ?
あれ、目的は連合でも紫月でもない。
中央通り越した南目的だったんだよ」